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【脚本】10分間の短編ドラマ「ヒーロー」

あなたにとってのヒーローは誰ですか??

 

私の場合だと子供の頃はウルトラマンや仮面ライダーでした。

誰だって子供の頃に1度はヒーローに憧れてたことはあるです。

 

でも、、

 

「ヒーローって一体なに者?」と、聞かれたら

あなたはなら、なんて答えますか??

 

・悪いヤツラをやっつけてくれる正義の見方!

・ピンチの時は必ずやってくるカッコイイ人!

・人間ではない、宇宙の人!

 

これら全部正解ですね(笑)

子供の頃は「強い」=「ヒーロー」みたいな、

そんな感じではなかったでしょうか??

 

 

あなたにとってのヒーローは?

 

学生時代の私は、ただ友達と遊んでる、

何の理由もない、そんな時間が何よりも

楽しかったです。

 

善悪の判断くらいは出来ていたけど、

お金や地位や名誉なんてそんなこと、

ぜんぜん考えてもいませんでした。

 

それが今、社会人になって、色んな人達と出会い、

色んな経験を積んで、自分なりに成長してきました。

 

だけど、、

 

あの頃の自分を見失ってしまいました。

 

今の私は、誰かのヒーローであるのだろうか…

 


 

 

 

①居酒屋店内・中(夜)

 

   黒木屋と書かれた看板がある。

   店内に上田俊(28)と桐谷義男(28)と浜田勉(28)が、

   ビールジョッキで「乾杯」と声を上げ、

   グラスを合わす。時計は19時30分を指す。

 

浜田「やっぱ仕事の後のビールって最高やな」

桐谷「俺なんか、夕方から一杯も飲んでないで」

浜田と桐谷のやりとりを見て、上田は鼻で小さく笑う。

浜田「俊、でっ、どうやねん。新規事業の方は?」

上田「どうって、何もあらへん順調やで。なんでなん?」

   浜田は煙草を取り出し火をつける。

 

浜田「俊って昔から突っ走る性格やん。

   がむしゃらが過ぎて愚痴一つ言わんやん。なぁ義男?」

桐谷「ああ、せやな」

 

   桐谷は、スマホを見ながら上田と浜田の

   会話を聞き、適当な返事を返す。

 

浜田「お前、ちゃんと聞いとんのかいな?」

桐谷「ごめん、電話や、ちょっと出てくるわ」

 

   桐谷は立ち上がり、店の外にでる。

 

上田「愚痴なんかあるかいな。お前らこそ愚痴ばっか言い過ぎや」

   浜田は煙草を一息吸って、灰皿に煙草を押し付ける。

浜田「愚痴もいいたなるで、しかし」

上田「俺はお前らとちゃうねん。事業で頭張ってんねん。

   そもそも立場が違う。絶対トップになるんや。

   それを信じているだけや」

浜田「トップなー」

上田「お前みたいな部下おったら、俺なら即首にすんで」

 

   上田と浜田は間に沈黙が入る。
   店の扉が開き桐谷が戻ってくる。

 

桐谷「おい、今日実はな、スペシャルゲストおるねん。じゃーん」

 

   桐谷の横から中西理子(28)が顔を出す。

 

浜田「おっ理子やん!めっちゃ久々やなー」

   理子は陽気に両手を振る。

理子「浜ちゃん俊ちゃん元気?」

 

   上田は軽く手を上げ理子に応える。

 

浜田「とりあえず座り、改めて乾杯しようや」

 

   理子は定員を呼びビールを注文する。

   上田と浜田と桐谷と理子は、

   ビールジョッキで乾杯をする。

 

×  ×  ×

 

   テーブルに空になった6本のビールジョッキが

   乱雑に置いている。時計の針は22時45分を指す。

 

理子「私、今日みんなと会うのたぶん成人式以来やわ。

   浜ちゃんかわらんなー。でも、俊ちゃんはなんか

真面目になった感じがする」

上田「俺は昔から真面目やで」

理子「せやねんけど、なんか…そんなクールなキャラやった?」

 

   浜田は笑う。

 

浜田「理子、言うたるな。こいつも大人になったんや」

上田「俺は今日も朝5時から仕事してんねん。

   この後も当然仕事する。

   いつでもハメ外すような事できへんねん」

理子「それがどうしたん?」

上田「それがってなんやねん。こいつ見てみろや」

 

   上田は桐谷を顎で指す。浜田と理子が桐谷を見ると、

   桐谷は口を開けて寝ている。

 

上田「こんな緊張感のない大人なりたないやろ」

理子「そう?桐ちゃん、昔のまんまやん。何年ぶりの再会でも、

   なんの遠慮もなく声かけてくれたし」

浜田「義男っぽいな」

 

   理子がスマホを取り出す。

 

理子「見てみて、今日みんなと会うから昔の写真持ってきてん」

 

   上田と浜田は理子のスマホを覗き込む。

   上田と浜田は懐かしそうに口がほころぶ。

 

理子「浜ちゃんと桐ちゃんは、めっちゃ、おっさんなったやん」

浜田「やかましわ」

理子「でも俊ちゃんは、ぜんぜんかわらへんやん」

浜田「成長ないって事やな」

 

   理子は思わず吹き出す。

 

上田「しょーもない写真出すなや。俺もう帰るで」

理子「何怒ってんの?」

上田「怒ってへんわ」

理子「じゃ何、かっこつけてるだけ?」

 

   浜田は大笑いをする。

 

浜田「理子、もう言うたるな。お前はっきり言い過ぎや」

 

   突然、寝ていた桐谷が大きなイビキをたてる。

   浜田と理子は桐谷を見て笑う。上田はテーブルに1万を置く。

 

上田「俺もう帰るな。理子久々やのにごめん」

上田はメモ用紙を取り出し文字を書き出す。

上田「これ俺の携帯番号。また飲みにいこうや」

理子「えっうん。お金…」

浜田「ありがとう!じゃまたな」

 

   浜田は理子の言葉を遮り、上田は店を出る。

 

浜田「ふー。悪いな理子」

理子「ぜんぜん。でも、なんか俊ちゃん変わったな。

   昔はもっと素直やったのに」

浜田「あいつ、2年くらい前に新規事業の役員か

   なんかなってから変わりよった」

理子「なんか悲しいわ。私、俊ちゃんには感謝してるねん」

浜田「あん時やろ」

理子「そうあん時…」

 

   浜田は突然に桐谷の頭を叩く。

   桐谷は驚いた様子で起き上がる。

 

浜田「起きんかい!」

   理子は微笑む。

浜田「理子、お前くらいはっきり言える奴がちょうどええわ。

   たまに俊に連絡したってや」

   理子はうなずく。

 

②俊の家・中(夜)

 

   俊は黙々とパソコンに向かう。

   俊のスマホからメールの着信が鳴る。

   スマホを開くと理子からのメールで

   「今日はありがとう、俊 ちゃんがんばれ!」と、

   書いている。俊はしばらくメールを眺める。

 

③俊の職場、社長室・中

 

   竹下太郎(48)と上田がテーブルに向かい座っている

 

竹下「上田君。君の事業部だがいつまで赤字が続くんだ」

上田「…」

竹下「はっきり言うで。君のやり方には、下から苦情も出てる。

   もうついて行かれへんって」

上田「それはただあいつらの甘えしかありません」

竹下「なに人のせいにしてるねん。俺は君に責任者を命じたんやで」

上田「…」

竹下「あんな、君の間違ったリーダーシップは今の会社にとってガンや。

   自分を信用して欲しかったら先に人を信用せい、

   それが出来んやったら、今すぐ辞めろ。ええな」

 

   上田は両手の拳を強く握り締める。

   竹下は静かに立ち上がる。

 

④河川敷

 

   上田は河川敷で座り込み、遠くを見つめる。

 

上田の声「社長に何がわかるねん。出来の悪い部下を

   全部変えたら事業は成功するわ。クソ」

 

   上田は傍にあった小石を川に投げる。

   溜息をついてスマホを取り出し、理子からのメール

   「今日はありがとう、俊ちゃん仕事がんばって!」の文字を見る。

   上田は少し間をおいて発信ボタンを押す。

 

理子の声「もしもし、俊ちゃん?どうしたん?」

上田「おー理子、悪いな突然」

理子の声「なんかあったん?」

上田「はぁどいつもこいつも俺の事わかってへんわ。

   ほんま仕事できん奴らばっかりや。

   みんな辞めたらいいねん」

理子の声「なんなん愚痴?」

上田「理子なら俺の事わかってくれる思ってな」

 

   上田は小石を川に投げる。

 

理子の声「そんなしょーもない事で電話したん?」

上田「何?しょーもない?」

 

   理子は少し間を置く。

 

理子の声「あんた仮面ライダーはなんでヒーローか知ってるか」

上田「仮面ライダー?はぁ何言うてるねん?」

理子の声「仮面ライダーは、皆に優しいねん。

   子供の憧れやねん。弱い者の味方やねん。

   だからヒーローやねん」

上田「それがどないしてん」

理子の声「あんた新規事業かなんか知らんけど、

   勘違いしてへんか?偉くなったつもりなん?」

 

   上田はスマホを持ったまま固まる。

 

理子の声「私にとって俊ちゃんはヒーローやねん。

   中学ん時、私が学年中から仲間はずれにされた

   時あったやろ?あん時の私、自殺の一歩手前やってん。

   でも、俊ちゃんだけは私の味方でおってくれた。

   俊ちゃんだけは優しかった。だから私、一生、

   俊ちゃんに感謝してる。私にとって俊ちゃんはヒーローやねん」

   上田は唾を飲み込む。

 

理子の声「偉くならんでもええ。

   ほんまの一番目指すんやったらヒーローになり」

上田「…ありがとう理子」

 

   上田は声を詰まらす。

 

理子の声「いろいろ言ってごめんな」

上田「気にすんなや。おっ悪いキャッチや切るで」

理子の声「えっあっうん」

 

   上田は電話を切り、両手で顔を隠し大声で泣き出す

 

上田の声「クソー!俺は…俺は…」

 

   上田はティッシュで思いっきり鼻をかみ、

   スマホを取り出し電話をかける。

 

浜田の声「もしもし、どないした?」

上田「勉、俺や、急なお願いあるねんけど、

   今日も飲みにいかへんか?」

浜田の声「えっ?二日連続飲み?どないしてん?」

上田「俺の仕事の愚痴聞いてくれや」

浜田の声「ほーお前が仕事の愚痴?珍しいやん。ええでー」

上田「じゃ決定な、また連絡するわ」

 

   上田は電話を切り、大きく伸びをして、

   なにか吹っ切れた様子で歩き出す。

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