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【脚本】10分間の短編ドラマ「仕事は誰の為に」

 

今回のブログは久々にシナリオライターJさんとなり、

10分間の短編ドラマを作ってみました。

 

10分間のドラマは200文字原稿が20枚です。

20枚の原稿って意外に短いんですよ。

 

20枚の原稿の中に起承転結の構成を組み立て、

「起」と「結」、つまり始まりと終わりで、

「主人公の気持ちに変化を起こす」、までがシナリオの基本です。

 

 

あなたは何の為に、誰の為に仕事をしていますか??

 

今から数十年前の私は、何の為に、誰の為に仕事をしているか

なんて、考えてもいませんでした。

 

ただ、会社の為・客の為・上司の為だと、本気か言い訳かも、

わからないまま、家族や友達や同僚に相当イキがっていました。

 

しかし、その時は若かったJさんだから…周りの声や助言は何も聞こえず、

結果的に大きなプロジェクトに失敗して、当時、勤めていた会社に

大損害を招いてしまいました。

 

あの時、社長の言葉を受け止めていれば…

 


 

●登場人物

高橋 仁(24) 丸中オフィスの社員。

柳 隆二(63)現場作業員の棟梁。

伊達 英明(46)丸中の部長。高橋の上司。

三木 洋介(27) 現場作業員。

 


 

 

○丸中オフィス・中(朝)

 

   社員30名が集う事務所内。右列・左列・真ん中列に、

   10名が対象になってPCに向かう。

   伊達英明(46)は、事務所の奥の席で机に上に肘をつき、

   手を組んだ状態で考え事をしている。

 

高橋の声「伊達部長!」

 

   事務所の扉が(バタッ)っと突然開き、

   高橋仁(24)が小走りで伊達の席へ向かい、

   伊達の前に立つ。

   伊達は両手を下ろし、高橋を見上げる。

 

高橋「ミズノセンターの建設ですが…」

伊達「なんだ」

 

   高橋を睨みつける伊達。

 

高橋「田中鉄工の部材に不具合があって、

 仕入れが1ヶ月は遅れると連絡がありました。

 このまままでは、当初予定だった来年3月の工事完了が…」

 

   伊達は溜息をついて立ち上げる。

 

伊達「いいか高橋、なんとしても工事は間に合せるんだ。

 このプロジェクトは我が社にとって実績以上にパフォーマンスがある。

 わかるな?」

高橋「はっはい」

 

   伊達は高橋の周りを歩き出す。

 

伊達「今回のプロジェクトのテーマはスピードだ。

 従来の工期の3/1で工事を完成させると公約に上げたんだ。

 だから丸中は大規模工事の受注が出来た」

高橋「わかっています。ですが…」

 

   伊達は高橋の言葉を遮る。

 

伊達「我が社は4年後、国際競技場の工事2000億を必ず勝ち取る

 そして国際競技場の工期を2年で完成させる」

 

   伊達は高橋の前に止まり顔を覗く。

 

伊達「ミズノの建設は必ず完成させろ」

高橋「しかし…」

伊達「言い訳は聞きたくない。仕入れが遅れる?

 それがどうした。自分達のミスだろ、なんとかさせろ。

 業者ごときの意見等聞くな。奴らは頭がないから現場で体を動かしていくらだ。

 だから働かせろ。お前はいい大学を出て丸中に就職したエリートじゃないか。

 現場の目線なんか気にするな。常に高い目標を持て。

 この国を変えるくらいの気持ちでな」

高橋「はぁはい」

 

   伊達は席に着く。

 

伊達「すぐに現場へ向かえ。働き蟻共の仕事をしっかり見て、

 今やるべき自分の仕事を考えてこい」

 

   高橋は伊達に一礼をしてその場を立ち去る。

 

○ミズノ建設現場・前(朝)

 

   高橋は建設現場前で立ち止まり、建設中の現場を見上げる。

 

高橋の声「はぁ『工期はそのままで』なんて、そんなの絶対に無理だ。

 伊達部長もむちゃ言うよ。また、現場の人たちに怒られるんだろな」

 

   高橋は重い足取りで建設現場に向かう。

 

○ ミズノ建設現場・中(朝)

 

   ニッカポッカを着た現場作業員3人が高橋を囲む。

   三木洋介(27)が険しい表情で高橋に迫る。

 

三木「高橋さん、それはむちゃ言い過ぎだよ。

 部材が入ってこない以上どうにも出来ないじゃないか?」

高橋「そうなんですが…」

 

   高橋のヘルメットから汗が流れる。

   三木の後ろにいる作業員二人が高橋を睨みつける。

 

三木「俺たち我慢しているけど、もう限界だよ。アンタ達さ、こんなに工事を急がせて、

 事故や何か起きても俺達責任とれないよ。

 頼むから仕事させてくれよ。俺達の仕事をさ」

高橋「ダメなんです!」

 

   高橋が突然に大声を上げる。三木と作業員二人は

   突然の大声に唖然とする。

 

高橋「ごっごめんなさい!」

 

   自分の大声に焦った高橋は、慌てて会釈をして、

   足早にその場を立ち去る。

 

   三木は高橋の後ろ姿をじっと見つめる。

 

○ミズノ建設現場・外・(朝)

 

   肩を落とし座り込む高橋。

 

高橋の声「どうしよう、あの人たち怒っているかな…

 はぁ俺はいったい何の為に仕事してるんだ。もう嫌だよ…」

 

   高橋の足元に人影が見える。

   顔を上げると柳隆二(63)が立っている。

 

高橋「棟梁」

 

   柳は高橋の横にゆっくりと腰をかける。

 

柳「どうしたんだ、浮かない顔してよ」

高橋「いやーあの、その、」

柳「活気ねぇなー若者」

 

   柳はタバコを取り出し高橋の口元に当てる。

   高橋は首を横に振りタバコを断る。

 

高橋「棟梁、工期はどうにもならないですかね?」

 

   柳はタバコをマッチで火を付ける。

   煙大きく吸ってゆっくりと吐き出す。

 

柳「高橋さんよ。アンタ俺らの為に、現場の為に何かしたか?」

高橋「何かした?現場の為に?」

柳はタバコの灰を地面に落とす。

柳「俺は知らねぇけどよ。アンタ上司の言われるままに仕事してないか?

 自分の仕事に誇りなんて持ってないだろ」

 

   虚を突かれた様子で高橋は柳を見る。

 

柳「図星みていだな」

 

   柳は鼻で笑う。

 

高橋「そっそんな事ないです」

柳「俺はアンタの仕事は知らねぇ。でも想像は付く。だから言っといてやる」

高橋「…」

柳「人を動かしたかったらテメーがその3倍動け。上司の為じゃなく仕事の為にな」

高橋「仕事の為?」

柳「そうだ。上司や会社の肩書きなんかで仕事して楽しいか?

俺達みんなは、自分の腕にプライド持って仕事しているんだ」

 

高橋は遠くを眺める。

 

柳「理由があって工事を急ぐのはわかる。

 でもアンタは本当にそれが正しいと思って

 仕事しているか?自分を否定してまで、

 誰かに従うって、俺はいい仕事だと思わないな」

 

   柳はタバコを落とし足で踏みつける。

 

柳「聞いていいか。アンタ仕事やってて楽しみってなんだ?」

高橋「楽しみ…そう言われみると、特に…」

 

   声を出して笑い出す柳。

 

柳「だからアンタはダメなんだ」

高橋「何が可笑しいのですか!じゃ棟梁は一体何が楽しみなんですか?」

柳「俺か?そうだな、仕事の終わってからのビールが何よりも楽しみだ」

高橋「ビール??」

柳「そうだビールだ。二十歳から現場仕事をやって今年で43年だ。

 一日たりともビールを欠かした日はない」

 

   柳は自信たっぷりの表情で答える。

 

高橋「ちっちぇー幸せ」

柳「バカ!そう言う事を言ってるんじゃない。

自分の中で「楽しみ」って思えるものがあるのか?」

高橋「楽しみって思えること…」

 

   柳は立ち上がり高橋を見下ろす。

 

柳「いいか、仕事は客の為・自分の為・仕事の為に努力するんだ。

 自分勝手な正義感じゃなく、今の仕事に何が一番正しいかを考えろ。

 それこそ今やるべきアンタの仕事じゃないのか」

高橋「今やるべき僕の仕事…」

柳「アンタが本気になれば三木だって俺だって動かす事が出来る。

 それが成長ってやつだ」

 

   高橋はゆっくり立ち上がる。

 

高橋「棟梁ありがとう」

柳「おっ目が変わったじゃないか」

 

   高橋は軽く会釈をしてその場を立ち去る。

 

柳「どこいくんだ?」

高橋「行き先がはっきり見えました」

 

   柳はニッコリと微笑み、敬礼のポーズで高橋を激励する。

 

○丸中オフィス・中

 

   伊達の席の前に立つ高橋。

   伊達は椅子に深く腰を掛けて高橋を見上げる。

 

伊達「その顔はうまく交渉がいったようだな」

 

   軽く微笑む高橋。

 

高橋「はい。今回の工期ですが、結論を先に言いますと、

 工事を3ヶ月遅らせようと思います。」

 

伊達「なんだと」

 

   険しい表情になる伊達。

 

高橋「田中鉄鋼の部材無し工事を決行する事は、

安全と品質面のリスクを当社が負わなければなりません」

 

伊達「そんなのなんとかさせろ、現場共に」

高橋「部長」

伊達「何だ」

 

   イラつく伊達。

 

高橋「部長。彼らばかりに無理をさせる前に、

 まずは我々のお客様と交渉してみてはいかがですか?

 こちらが何もせずに、現場が納得する訳がありません。

 彼らだって誇りを持って仕事をしているのです。

 いい仕事がしたいんです」

伊達「おい高橋。しっかり働き蟻から学んで来いと言ったはずだ、何を学んだ?」

 

   高橋は大きく鼻で息を吸い込む。

 

高橋「はい!大切な事を学びました。上司の為に仕事するのではなく、

 仕事の為に仕事をするのだと」

 

   目を丸くする伊達に、自信たっぷりの笑みで答える高橋。

 


 

 

高橋は10分の間に成長しましたよね??

それが非常に難しいです。「起」と「結」で変化つけることが。

 

この物語のテーマは「魅力ある男」でした。

この物語の魅力ある男は棟梁です。

 

でも、こんなシブイ男ってなかなかいませんよね(笑)

それがドラマです。脚色ができる、又は脚色が過ぎるところが面白みです。

(私にとって)

 

次回作品は魅力のある女バージョンをドラマにしたいと思います。

 

乞うご期待!!

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